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キャンプ? in car (13) ~キャンプ場 その8~


~キャンプ場 その8~

正志は恵美子に肩を揺すられて目が覚めた。
「あなた、もう起きたら? あなたが一番最後よ」

昨夜、ベッド脇で静かに声を掛けてきた妻の行動が思い起こされる。
恵美子は正志に顔を向けてはいるが、その視線は正志と交わることはない。

その妻の機微を見逃さなかった正志は、昨夜の情事が本当に起こった事だと実感して暗い気持ちになった。

「ふ~ いま何時?」
正志は軽く伸びをして、よく寝たふうを装う。

「もう8時よ。川野さんが、運転疲れがあるからもう少し寝かせとけばって・・・・・・ でも川野さんが朝食を準備してくれているから」

恵美子の口から発せられる川野さんという言葉に、正志は苛立ちを覚えたが、平静を装い気怠い体を起こす。

外からは、子供達のはしゃぎ回る声と、それを追いかけている梨花の軽やかな声が聞こえる。

正志が寝不足の体を引きずって恵美子に続いて外に出ると、沈んでゆく気持ちを真夏の鮮やかな緑が出迎え、高原の清らかな風が妻の情事の記憶を洗い流してくれるような気がした。

コテージ外のテーブル上には、すでに人数分のコップと3つの紙皿に乗った具材の違うサンドイッチが盛られていた。
清三が起き出した正志に気が付き顔を向けるが、恵美子と同じく正志の目を見ることはなかった。
「おう、よく寝れたか?」

清三の試すような質問に正志は怒りを覚え挨拶はしなかった。
その代わりに、誰に向けるでもなく「あ~」と気のない返事をして席に着いた。
 2016_01_24


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