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キャンプ? in car (15) ~キャンプ場 その10~


~キャンプ場 その10~

朝食を済ませて、キャンプ場の中央を流れる沢で魚釣りをすることになった。
あらかじめ予定をしていた訳ではなかったが、正彦がコテージに備え付けてあった案内などが入ったリーフ内のチラシを見て言い出したのだ。

釣り竿は管理事務所でレンタルできると書いてある。
正志は、チラシに目を通して清三に声を掛けた。
 
「竿を借りに行こう」
「何本借りるかな?」

「私はしないわよ」
恵美子が梨花に視線を送る。
「私もしたことないから・・・・・・」

「それじゃあ、3本かな。香住は僕と一緒で、後は清三と正彦な」
正志は清三を促してエンジンキーを手に取る。

「行ってくるよ」
清三が梨花に声を掛けた。

「待って。私も管理事務所の売店に行きたいんだけど」
梨花の申し出に、清三がすぐ切り返す。
「じゃあ、僕が残るよ。」

正志は恵美子の方を見たが、恵美子は香住の服を着替えさせていて、はじめから行く気がないようだ。
恵美子と清三の2人がコテージに残る事に抵抗があったが、そんな事を言い出せる訳もなく、結局、釣り竿をレンタルするために、正志と梨花が管理事務所へ車で行くことになった。

車に乗り込むと、清三が見送るようにコテージから出てきた。
車が走り出すと、ルームミラー越しに清三がコテージ外の水道で顔を洗うのが見えた。

助手席の梨花は財布の中身を確認している。
正志は運転の傍ら、妻と清三に対してどのように接すればよいか悩んでいた。

あれこれと悩むより、いっそのこと梨花の前で、当事者2人に不貞の事実を突き付けてやろうかと考えたりもするのだが、頭に浮かぶのは子供達2人の顔だった。

今回の不貞の事実を恵美子に突き付ければ、漠然とだが今後一緒に子供たちと暮らすことが出来ないように感じた。
正志は出口のない自問自答を繰り返すばかりだったが、確実に分かっていることは、正志が2人の不貞を追及すれば、お互いの家庭は近い将来に必ず崩壊するだろうということだった。

「筒井さん、昨夜は眠れた?」
助手席の梨花の問いかけで、正志は巡る思考を中断した。

管理事務所までは、片道10分とかからない。
太陽が高くなるにつれて、淡いと思えた緑がだんだんと深くなっていくように見える。

―――梨花ちゃんも2人のこと気が付いていたんじゃ!?
「なんで?」
正志は小さく深呼吸して慎重に聞き返す。

「いえ、だって・・・・・・目が覚めたら・・・・・・声とか聞こえたから」
正志はブレーキを踏んで車を止めた。

「覗くつもりはなかったの。ただ筒井さんと恵美子は仲がいいなって・・・・・・」
正志は梨花が大きな勘違いしていることを理解した。正志も昨夜、目を覚ました当初は今の梨花と同じように川野夫婦の営みだと思っていたのだ。

正志は返答に困った。
「いや、その・・・・・・」

「ごめんなさい。変なこと言って・・・・・・」
梨花は赤い顔をしてうつむいてしまった。

正志は先ほどまで妻と親友の不貞で心が乱れていたが、何故か助手席の梨花の恥じらう表情から目が離せなくなっていた。
 2016_07_12


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