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船上で寝取られて~その10~


キスを自分からねだった妻が、体はおろか夫に寄り添ってきた心までもを
若い燕に許した事に深い悲しみを覚えた。

田中は求めに応じたのだろう、愛する妻の名前を
―――絵理―――
と呼び捨てにした。

そして、
―――ちゅ、ちゅ、ちゅ―――
キスをする音が聞こえてきた。
 
さっきまでの異常な興奮は何処かへ消え去り、頭上の行為に耳を塞ぎたくなった僕はタオルケットを頭から被った。
その時、出入口の扉の開く音が聞こえた。

「まだ起きてるか?」
頭上のカーテンが勢いよく開かれた。

「ああ、奥さんに食事の時に話したガイドブックを見せてたんだ」
田中の声は落ち着いていたが、どこか言い訳じみていた。

「奥さん、どうも。田中がお邪魔してすみません」
「いいのよ。渡辺君はもうメンテ終わったの?」

「はい、終了です」
渡辺君は寝台上の2人に、特段何も感じていないようだった。

「おい、もう少し静かに・・・・・・ 大内さん寝てるから」
今まで大きな音を立てて頭上で痴態を繰り広げていた田中が、芝居がかったような声で
渡辺君を諭した。

「うちの人は大丈夫よ。私はもう寝るけど2人は?」
「メンテで疲れたんで寝ます」

「僕も寝ます。ガイドブックはお貸しします」
寝台が軋み、降りてくる田中の影がカーテン越しに映った。

それぞれが、それぞれの寝台に入りカーテンを閉めた。
妻の枕元の電灯はすぐに消え、暫くして隣の寝台の電灯も消えた。

僕は寝たふりを続けていたせいか、体の筋肉が弛緩していてあれこれ考えているうちに
いつの間にか眠りに落ちていた。


―――ピロン、ピロン―――

小さな、高音が少し耳障りな電子音で目が覚めた。
時間は分からない。

周囲に人の話し声や通路を行き交う足音が聞こえてこないことから夜が明けていないことが分かった。
頭上からはゴソゴソと微かな音が聞こえてきて寝台が小さく軋んだ。

その軋む音が連続的で妻が目を覚ましたのではと感じた。
徐々に頭が覚醒し、電子音の正体が普段聞き慣れた妻の「無料通話アプリ」の通知音だったことに気が付いた。

妻に声を掛けようとして上半身を起こしたと同時に、
隣の寝台のカーテンが開く音が聞こえた。
寝台を伝って降りる気配がしたことから、気配の主が上段の田中だと分かった。

田中はそのまま静かに出入口の扉を開けて通路へ出て行った。
田中は妻のスマホの音で僕と同じように目を覚ましトイレにでも行ったのではと考えた。
しかし、暫くたっても田中が帰ってくる気配はなかった。

頭上は静かになり、妻が再び眠ったものと感じた僕は次第に瞼が重たくなってきた。

―――ピロン、ピロン―――

再び妻のスマホの通知音が聞こえた。
寝台が軋みゴソゴソと衣擦れのような音が聞こえ、今度はハッキリと妻の起き出す気配を感じた。

妻に声を掛けることなく様子を窺っていると、静かに寝台から降りてきて客室から出ていった。

僕は一呼吸おいて寝台から起き出し、渡辺君を起こさないように注意しながら隣の寝台を確認した。
上段と下段のカーテンは閉まっていて、下段からは渡辺君の寝息が聞こえてきた。

上段のカーテン越しに耳をあててみたものの田中の気配はなく、
思い切ってカーテンに手を掛けて中を覗いてみたが予想通り田中の姿はそこになかった。

トイレにでも行ったのかと思っていたが、やはり出て行ったきりで客室には戻っていなかったのだ。
田中が戻っていないことから、妻は「無料通話アプリ」で田中と連絡を取り合っているのではないのかという疑念が浮かんだ。

しかし、妻はトイレに行っただけではという可能性を考えて、僕はいったん寝台に戻り、暫く様子を見ることにした。
僕は妻と同じ「無料通話アプリ」を使用していて、スマホの画面を注視しながらなかなか戻ってこない妻に苛立つのだった。


妻が客室を出て行って、もう15分近くは経過していた。
さすがにトイレという理由ではないと判断し、起き出して妻を探しに行こうと考えた。

そこで、ふっとスマホに目をやると、広い船内を闇雲に探すよりは通話アプリでメッセージを送ることを思いついた。

―――今、何処? トイレ?―――
少しの間をおいて既読となった。

―――起きたのね。うん、今トイレ。ちょっとお腹が痛くって―――
―――大丈夫? そっち行こうか?―――

―――いいよ、大丈夫よ。少し痛みは落ち着いたから。もう少ししてから戻るから先に寝てて―――
―――じゃあ、そうするよ。もし痛みが治まらなかったら電話して―――

―――ありがとう。もう少しトイレにいるから先に寝ててね―――
妻の「もう少ししてから戻る」という内容がどうにも引っ掛かり、釈然としないままアプリの通信を終えた。

直感的としか言いようがないが、妻のメッセージの内容に違和感を覚えた僕は、
やはり妻の所在を確認すべく寝台から静かに起き出した。

妻と田中の寝台のカーテンは閉まっている。
僕は2人が先に戻ってきた時の事を考えて寝台のカーテンを閉めて客室を離れたのだった。
テーマ : 寝取り・寝取られ・NTR    ジャンル : アダルト
 2017_08_02


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